Googleの入社試験っぽい問題を採用面接で出してはいけない

組織論・人事

Googleの入社試験でかつて「頭の体操」のような問題が出ていたことをご存じでしょうか?

具体例を挙げるなら以下のような問題です。

  • 全国にある電信柱の数はいくつでしょうか?
  • マンホールのフタが丸いのはなぜでしょうか?
  • 1時間丁度で燃え尽きる線香で30分を計るには?

上記は実際にGoogleの入社試験で出された問題ではありませんが同種のものが使われていたのです。

人事担当をしている人の中には自社の採用面接でも同じような問題を出そうと思っていたり、実際に出している人もいるかもしれません。

しかしこのような問題によって求職者の入社後のパフォーマンスを計ることはできません。それどころか様々なデメリットがありますから止めておいたほうが良いです。

Googleでも意味はなかった

頭の体操のような奇問を英語では「ブレインティーザー(brainteaser)」と呼びます。
直訳すると「脳をからかうもの」という意味です。

Googleの人事担当だったラスロ・ボック氏が入社試験についてインタビューに答えたことがあるのですが、同氏によればブレインティーザーの成績と入社後の実績には相関は見られなかったそうです。

つまり入社試験で出された問題のスコアが良かったからといって仕事ができるわけではなかったということです。

簡単に対策ができてしまう

そもそもブレインティーザーにしても、その他のひらめきや論理的思考力、推理力が問われる問題にしても簡単に対策が出来てしまうのです。決して地頭の良さが測れるものではありません。

そういった問題が多いとされるIQテストなども1回目より2回目のほうが練習効果が発揮されるためスコアは上がります。なので心理学の実験などではその分が結果に影響をしないよう実験手法を工夫しているくらいです。

ブレインティーザーが出来るかどうかと頭の良さや仕事の実力は関係ないのです。

ですからあなたが人事担当者なら奇問で応募者を試そうとするのは非常に危険です。
仕事で使える人間を採用したいと考えているのにクイズ慣れしているだけの人間を採用してしまうかもしれないからです。

また求職者から「時代遅れな採用をやっている会社だな」と見切りをつけられてしまう可能性もあります。

思考の過程を見たいだけなら問題ない

とはいえコンサルティング会社では未だに「全国にある電信柱の数はいくつか?」という問題を出しているじゃないか?と思う人もいるでしょう。

電信柱の数のような簡単に調べることの出来ないモノを少ない手がかりから論理的に導き出す手法をフェルミ推定と言います。

確かにコンサルティング会社などは採用面接でこういった問題を出すことがあります。

しかしコンサルティング会社がこの手の問題を出すのは応募者の思考の過程を知りたいからです。
そのため数字が合っているかどうかはそれほど重要ではありません。
「1個ずつ数えます!」と答えても会社が求める人材にマッチしていると判断されれば入社できることはあります。

おそらくGoogleがフェルミ推定の問題を出したのも思考の過程をみることが目的だったのではないでしょうか。

ですから思考の過程や会社の雰囲気と合うタイプなのかを見極めるためにそれらの問題を出すのは良いと思いますが、答えが合っているかどうかだけで地頭の良さが判断できると考えて出題するのはやめたほうが良いということです。

ブレインティーザーと性格特性の関係

またこれは企業側の問題ですがブレインティーザーを出題したがる人は性格に難アリかもしれません。

ボウリンググリーン州立大学のスコット・ハイハウスは756人の働く成人にインタビュー調査を行いました。

その中でナルシズムやサディズム、社会的能力などの性格特性についても質問しました。
またブレインティーザーがどの程度適切なものであるかの評価もしてもらいました。

結果はブレインティーザーを高く評価する人ほどナルシストでサディストで社会的能力が低い傾向にありました。
また従業員の採用において直感に頼ることが重要であるという考えを持っていることも分かりました。

採用経験のある約500人を対象に行った調査でも同じ結果が再現されました。

もしこの研究を知っている人にブレインティーザーを出してしまったら危ない人が多い会社と判断されて入社を辞退されてしまうかもしれませんので気をつけてください。

参考文献:Scott Highhouse, et al. (2018). Dark Motives and Elective Use of Brainteaser Interview Questions.

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