リモートワークが浸透したことで時間に関係なくメール対応をするのが当然のようになってしまっている会社もあるかもしれません。
しかし在宅勤務中であっても業務時間とプライベートの時間はきっちりと分けて、時間外の対応はしなくても良いということを会社側で徹底しなければなりません。
リーハイ大学のリウバ・ベルキンらが行った調査によると就業時間後や休日などの業務時間外にメール対応しなければならない従業員は自宅にいるときでも強いストレスを感じていることが分かっています。
そしてそれが燃え尽き症候群やワークライフバランスの低下につながっています。
仕事から切り離された時間がないと回復できない
仕事の疲労から回復するためには肉体的にも精神的にも職場と切り離された時間を持つことが重要です。これはいくつもの調査で判明していることです。
仮に自宅で何もせずに過ごしていたとしても「仕事のメールが来るかもしれない」と思っていると回復できません。
いつでもメールに対応しなければならないという心理的負担は職場にいないときでも仕事をしているのと同じことなのです。
これはメールの対応に費やす時間に関係ありません。
たった数分で完了できるメールだから負担ではないだろうということはないのです。
それをしなければならないということ自体がストレスになり休息することが出来なくなります。
そして本来の仕事のパフォーマンスも低下させます。
メール禁止デーから始める
業務時間外にメール対応をさせることのデメリットは従業員が疲弊するだけではありません。
会社に対するコミットメントが低下することも分かっています。
それがやがて離職やモラルハザードへとつながります。
こういった事態を避けるためにも業務時間外のメール対応は止めるべきなのです。
急にできない場合は週に一度でも「業務時間外の対応禁止デー」を作ると良いです。
それだけでも従業員のメンタルヘルスを改善できます。
いつでもメールで対応できることで顧客の満足度を高めれば効率的と思うかもしれません。
しかし長期的な視点でみるとマイナスなのです。
そもそも非常識な時間にまで対応を求めるような顧客は手間ばかりかかって利益にはならないことのほうが多いですから切ってしまっても良いのです。
参考文献:Liuba Belkin, et al. (2016). Exhausted, but Unable to Disconnect: After-Hours Email, Work-Family Balance and Identification.